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健全な社会に求められるリーダーとは「実力の時代」を考える


今の時代は失敗しても再び立ち上がるチャンスがある社会だと私は思います。経済産業大臣時代に、ベンチャー支援や1円起業の支援などを手がけて実感したことですが、学歴はなくても実力があればいくらでもチャンスをものにできる時代になりました。かつては、学歴がなければ、なかなかチャンス自体をつかむことが難しかったことを思うと、健全な社会になった、と思います。小泉総理がかつてない人気を博したのも、あるいはこうした社会の変化が関係しているのかもしれません。総理大臣になって5年半を経て、なお支持率が40%を超すというのは驚きです。
小泉政権のもとで、私はさまざまなポストに就きました。ポストというのはすべて重要で軽重などないのですが、自民党広報本部長、党組織本部長、経産大臣、農水大臣と、小泉総理と近いところで仕事をしてきました。一緒に、世界の要人に会ったりもしました。私は相手が政治家なら誰とでも普通どおりに接しますが、王族には敬意を持って接します。ですが、小泉総理は王族であろうとだれであろうと、みな同じなんですね。
正直、よく分からないところも多々ある人ですが、総理の凄いのは失敗を恐れないこと。そして、言葉にするのが上手い。ある意味で「政治とは言葉」ですから、天才的なコピーライターの資質を持っているのか、あるいは有能なブレーンがついているのか、どちらか分かりませんが、とにかく表現するのが上手い。高度な情報時代において、ビジュアルも含めて、優れた表現力は、宰相に求められるひとつの資質とも思わされました。
もうすぐ次の自民党総裁、総理大臣が決まります。安倍官房長官が有力視されています。彼とはともに議員になる前からの友人で、人柄もよく知っています。一言で言えば「安心感を与える人」で、ポスト小泉にはふさわしい人ともいえるでしょうか。最初にお話した「実力があればチャンスをつかめる時代」というのは、「頑張ればとてつもない大きなことができる時代」とも言い換えられます。そうした時代にふさわしいリーダーシップを発揮して欲しいと思っています。