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農業・食料問題はデリケートな「永遠のテーマ」 農水大臣として食料問題に思う

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私は現在、小渕政権時代に続いて、二度目の農林水産大臣を務めています。父もかつて務めたことのあるポストで、縁を感じたりもします。初当選以来かかわってきている農政というのは、一般の人には一見わかりにくいところがありますが、人類の永遠のテーマだと思います。食料問題は永遠の経済のテーマであり、その危機的な状況は打開されていない、という認識が必要と強く感じています。

昨年農水大臣に就任して以来、農業問題に関連して15回ぐらい海外にいっていますが、食糧の多くを輸入に頼らざるを得ない日本にとって、グローバルな視点なくして解決は難しいと思います。19世紀の初頭、英国の経済学者マルサスは「食糧生産は線形にしか増大しないが、人口は指数関数的に増大するので、いつか人口増加は食糧生産を追い越す」と述べましたが、世界的にみると、わずか0.2%の面積の国土に、2%の人口があるのが日本です。一方、日本からみれば力があって、食料大国の米国ですら、砂漠化や他国との競争等、現実には深刻な食糧問題を抱えているわけです。むろん、貧困・飢餓にあえぐ地域がなお存在することも、もちろんです。

この夏、日本は各地で記録的な豪雨に見舞われました。こうした災害は、少なくとも2~3年、あるいは5年、自然系の悪化によって、もしかすると永遠に影響するかもしれません。地球の温暖化も無関係であるはずがありません。農政とは実にデリケートなものだということを、多くの方々に理解していただければと願っています。

この6~7年、農林水産行政をめぐる状況は、形も内容も大きく変わってきています。かつては生産者保護が施策の中心だったのですが、顧客(消費者)からの視点が重視されるようになり、同時に、国土保全といった自然保護問題など、さまざまな課題・要因が複合しています。食料は人間が生きていくのに不可欠なエネルギー源ですが、同時に、食は「文化」でもあり、また味覚は8歳までに決まると言われています。食糧を確保し、自然を守るという課題にとどまらず、豊かな社会を実現する重要なテーマとして臨むべきものが農政だと、私は思うのです。