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夕刊フジ連載コラム「中川昭一の言わせてもらおう」(5月29日掲載)

「トマホーク、原潜保有など検討を」
「敵基地攻撃能力を整備せよ」
「北朝鮮の核実験、許されざる暴挙」
 北朝鮮が25日、2度目の地下核実験を行った。これは許されざる暴挙だ。北は4月にも長距離弾道ミサイルを発射しており、一気に持っていたカードを切っている。これらの狙いについて、経済の困窮や後継者問題の影響、米国との直接交渉を引き出すため-などと分析されている。
 ここで重要なのは、北が核とミサイルの性能や保有数を上げていくことは、平和を志向する日本人の思いとは裏腹に、東アジアの軍事的危険度を高めているという現実だ。

 日本は現在、中国とロシア、北という核保有国に囲まれている。特に北は、日本人を多数拉致しているうえ、「東京を火の海にする」と公言するような無法国家である。政府としては、国民の生命と財産を守るため、冷静な議論を尽くして、万全の備えをしなければならない。
 安倍晋三元首相が先日、断固たる経済制裁の必要性を強調したうえで、「(敵の)ミサイル発射基地を攻撃する能力も具体的に検討していくことは当然だ」と述べていたが、私もまったく同感である。
 敵基地攻撃能力の保有と専守防衛の関係については、これまで何度か国会で取り上げられてきた。
 古くは、鳩山一郎内閣が1956年、「急迫不正の侵害が行われ、その侵害の手段としてわが国土に対し、誘導弾(=ミサイル)等による攻撃が行われた場合、座して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨とするところだとは考えられない。誘導弾の基地を叩くことは法理的には自衛の範囲に含まれ、可能であるというべき」との、統一見解を明らかにしている。
 その後も、この統一見解については国会で繰り返し確認されてきたが、具体的な防衛力の整備は手つかずのままだった。
 私は、北が国連や6カ国協議の警告を無視し、2度目の核実験断行に踏み切った以上、防衛力の整備として、自衛隊の現有戦闘機の攻撃能力強化をはじめ、トマホークなど巡航ミサイルの保有、相手の戦略核潜水艦を攻撃できる原子力潜水艦の保有なども、冷静に検討すべきだと考える。
 米国との同盟関係は大きな抑止力だが、その前に「自国の安全は自分たちで守る」という覚悟がなければ、同盟関係も機能しない。日本が毅然とした姿勢を見せないから、北が恫喝外交を続けている面もある。
 くしくも、先の統一見解をまとめたのは、「友愛」を掲げる民主党の鳩山由紀夫代表の祖父である。理念論や観念論に陥らず、現実的に国民をどう守っていくのか、自民党と民主党で冷静に議論していこうではないか。これは、次期総選挙の重要な争点となるだろう。