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夕刊フジ連載コラム「中川昭一の言わせてもらおう」(7月9日掲載)

「静岡県知事選の敗北、過小評価するな」
「保守層が自民党から離反しつつある」
「麻生政権、保守層を取り戻す政策を進める」

「総選挙の前哨戦」といわれた静岡県知事選(5日投開票)は、野党陣営が分裂していたにもかかわらず、自民党の推薦候補が敗れた。この結果は極めて厳しい。決して過小評価すべきでない。
静岡県は「日本の縮図」といわれる。地理的にほぼ日本の真ん中に位置し、東京や大阪、名古屋などの影響を平均的に受ける。静岡や浜松といった都市から、山岳地帯、農村、漁村まである。所得も日本の平均値に近い。企業の多くは、全国販売前に試験販売を行うことが多い。
一地方選というだけでなく、静岡県知事選は今後の国勢選挙の占う試金石とみられていた。今回の選挙結果を見て、改めて、「保守層が自民党から離反しつつある」と感じた。
このことは、平沼赳夫元経産相(無所属)が5日、私の地元・北海道帯広市で講演した際に、的確に分析していた。
平沼氏は、郵政民営化に反対した経緯を話したうえで、小泉政権が推進した三位一体改革について、「地方の税収は増えず、公共事業は切られ、地方は一気に疲弊した。新自由主義は地方には逆効果だった。困っている人々に手を差し伸べるのが本物の保守だ」と語った。
安倍政権は、教育基本法改正や国民投票法など、保守主義に根ざした政策を進め、郵政造反組の復党を認めるなど、行き過ぎた新自由主義の等軌道修正を行っていた。だが、わずか1年で退陣することになり、保守層は中ぶらりんの状態で放置されてしまった。
麻生政権はこれまで経済対策に時間を取られてきたが、これから、日本の伝統文化を守り、日本人の精神の荒廃を食い止め、中国の台頭や北朝鮮の暴走に対応する、堂々とした政策を進めていく。わが党に期待していたが、焦りや怒りを感じている保守層を取り戻すためにも。
こうした中、自民党内から麻生太郎首相の政権運営に異議を唱え、総裁選前倒しや首相退陣を求める声が浮上しているが、とんでもないことだ。目立ちたがり屋で自己保身に走りがちな中堅・若手だけでなく、党の元最高幹部までがこうした行動をするのは許し難い。
任期満了まで約2カ月。いまさら奇をてらったことをしても逆効果だ。昨年9月、麻生首相を圧倒的多数で選んだことを忘れてはならない。自民党としてすべきことを1つ1つして、国民の審判を受けるしかない。まずは、目の前の東京都議選に全力を挙げることだ。