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【講演】日本の実力 Vol.2 (2008〈平成20〉年6月29日)

日本の実力 Vol.2
平成20年6月29日 青森県連青年局・女性部合同大会にて
「日本の実力 Vol.1」のつづき

◆GDP

次はGDPですが、これはご存知のとおり世界第2位。
昔は世界の16パーセントぐらいあると言われておりました。
世界は5パーセントくらい成長していますけれども、日本はバブル崩壊後、ほとんど成長がございません。したがって、ほぼ横ばい状態が続いておりまして、世界第2位は変わっていませんが、15~16パーセントの世界のシェアが今は10パーセントを切っております。
加盟している27か国を一つと勘定したEUやアメリカが、日本の2.4倍から5倍ぐらい。
3番目が単体で捉えた場合のドイツ。
中国は4番目の中国が急速に追い上げております(注:平成20年の講演当時の資料による)。
人口13億人の国がですね、十数パーセントの成長をしているのでありますから、これはもう大変な伸び方でありまして、2020年には、中国が日本を抜くであろう。
あるいは2050年には、インドも日本を抜いて、ひょっとしたらアメリカも抜いちゃうんじゃないかというぐらいの勢いがあります。
アメリカも、実は非常に活力があります。
非常に厳しい経済状況にこれからなってまいりますが、アメリカも人口がどんどん増えて、今や3億人を超えた訳でありますし、あそこはいわゆる多民族国家でございますんで、そういう意味で、非常に活力のある国と言えると思います。
一人あたまのGDPで見れば、日本は1993年は世界第2位でした。
第1位がルクセンブルクという人口が4~50万人のちっちゃなヨーロッパの国です。金融とサービスを中心にした、非常に高レベルの国でなのですが、人口が40万人くらいですので、これはちょっと別格ということにしますと、1億人を超えた国家の中では、圧倒的に第1位であった訳であります。
しかし、今はどんどんどんどん今、下がってきて、18位。日本が不景気で、どんどん元気がなくなってるということであります。

◆国富

それから国富、国の富です。
国の借金については、「七百何十兆円ある」など皆さんも厳しい話を耳にすることと思います。
では、国の富はどうか。
会社を経営されている方はご承知だと思いますけれども、経済っていうのは、資産と負債と両方ある訳です。
いつも負債のほうばかり議論されて、大変だ大変だと言いますけども、実は資産もいっぱいあります。
国全体の富、つまりみなさん方のお持ちになってる財産でありますとか、あるいはまた国の資産、県の資産などなど、国のいわゆる富は、2800兆円、つまり28兆ドルです。1ドル100円としまして、2800兆円の実は資産があり、負債が約800兆円ある。こういうバランスシートになっているわけであります。
そしてよく言われております、企業や国ではない、いわゆる家計が持っている、つまり、みなさん方が持っていらっしゃる金融資産、これは預金、証券、年金、保険からたんす預金も含めて、1500兆円と推定されています。同じように1ドル100円とすると15兆ドルとなって、これは世界で一番であります。
しかし、不況による預金の取り崩しなど、いろんなことで、少しずつ減っている状況であるわけであります。
こういう数字が日本の経済状況なのですが、一言でいえばこの20年間、日本は非常に元気がない。
一番元気のいい1980年代にはですね、世界の主な企業、あるいは金融機関等が、東京証券取引所に百二十数社上場していました。日本の世界的な自動車会社とか電機メーカー、金融機関も今はニューヨークあるいはロンドンに上場しているわけですが、それと同じような状況が、バブルの頃には日本でもありました。
それがですね、今や5分の1以下の22,3社に減ってしまいました。日本にいても企業活動が出来ないな、儲からないな、上場してもしょうがないなということで、東証の外国企業の上場数がどんどん減ってきている。
これは我々から見て、非常にある意味では残念です。日本がダメだということだけでなく、日本がダメなら上海、あるいはシンガポールに行くかとかですね、お隣の国、ちょっと近い国にですね、引っ越しちゃってる。
経済活動はするけれども、儲けの本部はもう日本から上海やシンガポールのほうにどんどん引っ越しちゃってるという現状。
今後の日本の回復、あるいは更なる元気のために、この現状を何とかしなければいけないと、私は強く感じているところでございます。

◆豊かさ

このあと、データを幾つか、ご紹介しますけれども、OECDという先進国クラブが、いろんなデータを出していて、その中に「国別の国民の豊かさ」があります。これは、日本は世界で7番目と、まだ一応ベスト10に入っております。
例えばルクセンブルク、あるいはスウェーデン、デンマークなど、人口はそんなに多くなくて、とても豊かな国々の次ぐらいにまだ位置しているわけでございますけれども、これはいくつかの項目を総合したものの順位です。
環境、治安、健康状態、衛生状態等は圧倒的に順位はいいんですけども、他方、政府の政策、あるいは財政、あるいは経済、さっき言った証券取引所のやり方とか、そういったものは、かなりOECD加盟の30か国の中でほぼビリに近い順位にいます。
いいところは極端にいいけれども、経済の本体の方は実はあんまり良くないということで、トータルが第7位ということになります。

◆競争力

次が競争力ですね、日本のある研究所のデータで、潜在的な競争力、本当に頑張ればどのくらいの競争力があるのか、についてです。
これは50か国のうち、一昨年が12番目だったものが、また順位を一つ悪くして、そして今は13番目。これはどんどんどんどん下がってきている。
科学技術の面、あるいは企業面は頑張っているけれども、さっき言ったように、政府、あるいは財政、それから金融、そしてサービスがよくありません。
よく、「サービスが悪い」って言うと、「商店街の効率性が悪い」ことを指すという話もありますが、決してそういうことではありません。去年、富山と並んで、この青森は中心市街地活性化法の認定第一号に指定されましたが、この中心市街地やそこあるお店屋さんっていうのは、単に効率性だけで判断できるものじゃないと、私は思っています。
ここで言ってるサービスというのは、むしろですね、IT産業とか、あるいは差し障りがあるかもしれませんけど、電力会社、あるいは、金融機関など大手のサービス部門であって、そこのの効率性や生産性が、外国に比べて低いという意味です。
競争力という点では世界経済フォーラムというところの競争力ランキングもで去年の5番から8番に下がってしまっています。

◆寿命と出生率

次は寿命です。
これはもう何といっても日本、特に女性の方は圧倒的に1番です。
男性も、確かアイスランドかどこかに次いで2番です(注:当時)。
戦後直後の平均寿命は男性が50歳弱で、女性が55,6歳だったんです。
統計を見ると男性よりも女性のほうが5,6歳、長いんですね。
これはまあ、一つには、昔は戦争があったということも理由なんでしょうけども、石原慎太郎都知事に言わせると、
「男は絶対、女性よりも長生き出来ない。なぜならば、男はネクタイで自分の首を絞めてる。だからこんなもの、長生き出来ないよ」
と。だからあの人はあんまりネクタイ締めない。我々も数年前からクールビズを始めていますが、皆さんも長生きしたかったらぜひネクタイをとってみてはいかがでしょうか。
ネクタイで自分の首を絞めてですね、体感温度も3度ぐらい高かったりですね、苦しい思いしてれば、絶対女性よりも長生き出来るはずがない。これは私が言ってるんじゃないです。石原知事の持論でございます。
合計出生率も日本は非常に低い。
日本より合計出生率が低い主な国は、ロシアと韓国です。
フランスも、実は一時、1.7まで下がりましたが、今は2を越えております。この理由の一つは、移民だという説がありますけれども、そうじゃないんですね。
私も調べてみましたけども、フランスは子育て支援をしっかりやっています。財政的支援もやっている。
自民党、公明党も与党として、1万円、1万5千円、5000円という子育て支援を、どんどんどんどん充実したいと思っておりますけれども、フランスの場合には、何人お子さんができても、最初から最後まで1万円をはるかに越えるような子育て支援をしておりますし、また、税の問題が非常に大きいんですね。
N分のN乗方式という、ちょっと難しいことを申し上げたいんですが、つまり年収1000万の方がいるとします。
年収1000万の方が単身か、あるいは夫婦お二人かで税率変わってきますけれども、どっちにしても税率というものは、年収1000万円に対してかかる訳です。
しかしフランスでは、例えば家族が5人、お父さんとお母さんと子供3人いれば、1000万円を5で割るんです。その結果、一人あたまの収入は200万という計算をします。
そうすると、税率がどんと下がります。どんと下がった200万円に対しての税率を5倍するんです。
つまり年収200万円の人が5人いるという計算での税金になりますから、税率がぐんと下がります。
是非、日本もですね、今言った、N人に対して、Nで割ってN倍しろという税制を導入すべきであると考えている訳であります。
それと、フランスの場合、共働きが非常に多い。
私の友人も、夫婦揃って大臣をやってる人がおりましたけれども、子供は5人おりました。家も広いし、子供を預ける施設もほとんど24時間対応と充実しておりますし、それからベビーシッターっていうんですか、こういう方々も教養の高い人が豊富にいるなど、施設も人材も非常に充実をしている。
これは長く時間をかけるものあって、今日私が言ったから、来年実現しようと思っても、そう簡単にできるものではありません。
20年、30年かけてやっとまあ、1.7が2.1まで上がった訳でありますけれど、こういう話をしたからと言って、別に「生めよ育てよ」を奨励するつもりも、強制するつもりも毛頭ございません。
けれども、「お子さんがもっと欲しい」、「でも、お父さんもお母さんも働きたい」という皆さんに対しては、国としても是非、支援するのが大きな役割ではないか、と思っているんです。
(つづく)