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【講演】「人権擁護・水 Vol.4」〈終〉(2008〈平成20〉年6月13日

人権擁護・水 Vol.3」のつづき

◆G20の意味

余談ですが、昨日の朝、マイケルグリーンに、
「今、世界を動かしているのはG20だよな」と言ったんです。
するとどういう意味だ、と聞かれたんで、
「ブッシュも、それから韓国のイ・ミョンバク、台湾の馬英九、イギリスのブラウン、フランスのサルコジ、そして日本の福田さんも、支持率がみんな20%台だよ。だからいま世界の指導者が支持率20%台グループを作っているじゃないか」
と言ったら、
「それ、面白いから今度、ウォールストリートジャーナルで書くよ」
と言っていました。

私もまだ身内の人間ですから、それを書くならお前の名前で書いてくれ、とお願いしたんですが、もし、ウォールストリートジャーナルに出ていたら、ここにいらっしゃる皆さんは、「あ、中川が言ったことだな」とこっそりお感じ頂ければと思います。

◆サミット

さて、冗談はさておき、まもなく、サミットです。
私もサミットに向けて、個人的に水の勉強会やっています。
去年から党での勉強会を20数回、それからインナーグループで10数回やっていまして、そして今週、党でまとめたペーパーを出しました。

この水に関する問題も含め、福田総理に来週、『日本の平和協力』についての提言をしようと思っているわけであります。

水については以前にこの場でもお話したと思いますが、一番言いたいのは、日本は決して水が豊かな国とは言えないんだ、ということなんです。いろいろな講演等で何度も言ってきましたので、もう皆さんも聞き飽きたかもしれませんが、小麦も牛肉も大量の水を使って出来るものですから、日本は水を輸入していると言ってもいい。
そう考えた場合、輸入で入ってくる水は日本国内の農業で使われる水よりもずっと多いんです。

◆漏水率

世界の水の勉強をしていると、無収水という言葉がよく出てきます。
要するに収入のない水、つまり漏れる水、それから盗まれる水、これをまとめて無収水と呼んでいます。
この割合を漏水率と言うのですが、バンコクでは30%、香港でも25%と非常に高い。それに対し、東京はわずか3%台です。
ただし、東京の水道管も、だいぶ老朽化してきましたから、これからそれを更新していかなければこの低い漏水率を維持できません。その時の財源をどうするか、私は水は人間が生きていくには欠かせないものである以上、非常に大きな問題である、と考えています。

◆水のリスク

日本には国際河川がありませんので、川をめぐる問題は鈍感なんですが、世界の河川の約半分が国際河川です。そして6割がその川の水に頼っています。川の水をめぐって争いがあるということも知っておいて頂きたい。温暖化によって氷が溶け出した場合の洪水リスクもあります。

日本に目を向けてみると、日本の平野は「沖積平野」が多いですから、海面上昇に非常に弱いことを忘れてはいけません。
これは世界でも同じであって、メコンデルタ、ガンジスデルタ、ナイルデルタ、ミシシッピーなどはハリケーンとかタイフーンがくるととんでもないことになる。水面が5センチ、10センチ上がっただけで大変です。
日本も台風が来ますが、台風の被害で亡くなるかたの人数はここ数十年で激減しています。それは治水の賜物なんですが、治水はこれからもあらゆる可能性を想定して継続しなければならないと思っています。

と、いろいろ水に関してしゃべりだすと止まらなくなるのですが、日本は水でもっと世界に貢献できる、と思っています。それは今掲げたような問題解決の点でも、あるいはビジネスの点でもそうです。

以上、経済と水の問題を私はずっと勉強しており、これかもし続けます。経済は多くの政治家が取り組むことですが、水を勉強しているのは、昔はそんなにいませんでした。ただ、これだけいろいろなところで話をさせてもらってきたから、ようやく、皆さんの中に“危機感”が出てきたのではないか、とも思っています。

私も「なにかしゃべってください」と言われれば、最近は全部水のことを話すようにしています。おそらく頼んだ側は政局を語って欲しいんでしょうが、それも大事ですが、私にとっては、そんなことよりも日本が水没しないようにしたり、世界のあちこちで水をめぐる争いが勃発しないようにすることの方がもっと大事です。
したがって、明日は北海道、来週はある大学でまた水の話をしてきます。

これからもどうぞ、皆さん、「水」を考えてもらえればと思います。

以上で終わりなんですが、最後に一つ。
宣伝を頼まれたわけではないんですが、今日の話の流れ上、触れないわけにはいかないんでお知らせしますと、6月28日には水に関するちょっと大事なフォーラムがあります。何が大事かというと、内容はもちろんですが、私の女房も主催側の一員なんです。
私も参加する予定です。こちらの方もぜひ、よろしくお願いします。

(終わり)