夕刊フジ連載コラム「中川昭一の言わせてもらおう」(2月2日掲載)


「中国の人工衛星破壊実験は許し難い」
「覇権的軍事国家を目指すのか」
「給食費未納、9万9000人」
「親は恥を知れ」
 第166通常国会が開会した。安倍内閣は子供たちが自信と誇りを持ち、国際社会において模範となる国をつくるため、国の骨格である憲法や教育、安全保障を抜本的に見直し、国民のために景気回復や福祉、地域活性化などを大胆に進めていく方針だ。
 特に、教育改革は待ったなしといえる。
 学力低下や教育現場の荒廃も深刻だが、最近、文部科学省が公表した小中学校の給食費未納の実態調査には驚かされた。何と平成17年度だけで未納者が9万9000人、未納額は22
億円に上るという。
 6割の学校が未納理由について「保護者としての責任感や規範意識に問題がある」と答えており、経済的問題以外にあると指摘する。担任教師が支払いを求めると、「頼んでもないのに勝手に出している」とか、「義務教育だから国が負担すべき」などと逆ギレする保護者もいるとか。
 「本当なのか?」と読み返すような、信じがたい結果だった。
 給食は単にエネルギー補給だけでなく、小中学生に食の正しい知識や習慣、マナーなどを身につけるために教育活動として実施されている。
 子供の食生活には改善点が多い。「食育」という言葉があるように、子供にとって食事は極めて大切だ。給食費を納めない親は、一体、子供の教育をどのように考えているのか。恥を知るべきだろう。
 さて、中国が1月12日、宇宙空間にある人工衛星を地上から発射した弾道ミサイルで破壊する実験を行った。世界各国が共有し、気象衛星や通信衛星を打ち上げている宇宙空間に危険な破片をまき散らしただけでなく、宇宙の平和利用に対する重大な背信行為であり、許し難い。
 日本や米国、ロシア、欧州各国の強い抗議を受け、中国が正式回答をしたのは同月22日。何と10日間も無視していた。中国は2008年の北京五輪や18年の上海万博を控え、国際社会に対して平和的姿勢や国内的安定を強調しているが、にわかに信じられない。
 昨年11月には、米空母「キティホーク」が沖縄近海の太平洋上で中国海軍の潜水艦の追尾を受け、魚雷や対艦ミサイルの射程圏内にまで接近された事件が発覚。04年には中国海軍の原子力潜水艦が石垣島周辺の日本領海を侵犯した事件も発生している。
 また、中国が日本政府の抗議を無視して、東シナ海の日中中間線付近にある天然ガス田で強引に開発を進めているのは有名な話だ。ガス田の1つ「白樺」(中国名・春暁)から中国浙江省に向けて供給が開始されたとの報道もある。
 昨年度の防衛白書によると、中国の公表国防費は過去18年間で名目上、13倍の規模に急増している。実際の国防費は公表額の3倍という指摘もある。中国が平和共存国家を目指しているのか、覇権的軍事国家を目指しているの