夕刊フジ連載コラム「中川昭一の言わせてもらおう」(5月18日掲載)


「日本社会の立て直し急務」
「会津若松の母親殺害事件、大変ショックだ」
「大人の世界乱れ、子供たちに影響」
 福島県会津若松市で、県立高校3年の男子生徒(17)が自らの母親を殺害し、遺体の一部を切断するという痛ましい事件が発生した。連日、新聞やテレビで犯行の手口や犯行後の様子が報じられているが、想像を絶するとしか言いようがない。大変ショックだ。
 男子生徒は精神科への通院歴もあるといい、犯行動機など不明な点も多い。警察や検察、裁判所の方々には時間をかけてでも、少年の心の闇を解き明かしてほしい。
 警察庁によると、14~19歳の少年(少女)が父母(養父母を含む)を殺害、または殺害しようとした事件は2001年以降、年間10件未満で推移していたが、05年に17件と急増。昨年も1月~11月の11カ月で12件と増えているという。
 それぞれ動機も背景も家族構成も異なっているが、親殺しが続発するような社会がまともだとは思えない。政治家としても、何らかの対処をしなければならないと考えている。しかし、今はこれといった考えがない。
 新聞報道によると、教育専門家や精神科医らが「濃密過ぎる母子関係」「家族の他人化」「勝ち組、負け組といった風潮の影響」という分析をしていた。要因の1つではあるだろう。
 少年たちは、大人が作った社会や時間の中で暮らしている。大人の世界が狂っているから、少年たちもおかしくなっている。「自分さえ良ければ、他人はどうなってもいい」「金のためなら手段は選ばない」「悪いことをしても見つからなければいい」。悲しいかな、日本社会にこうした風潮が蔓延(まんえん)してはいないか。
 先日、熊本市の民間病院に設置された国内初の「赤ちゃんポスト」に、3歳ぐらいの男児が預けられているのが見つかった。心配していた無責任な育児放棄が起きてしまった。3歳になれば自分の置かれた立場も何となく分かる。男児はどれだけ寂しい思いをしていることだろう。
 かつての親は自分を犠牲にして子供を育てたが、最近の親は自分の都合で子供を犠牲にする。家庭教育はおろか基本的なしつけも行わず、学校に丸投げして、問題が起こると学校に責任を転嫁する。給食費の不払い、親による虐待も多い。
 一部の教師にも問題はある。国民投票法が成立した日に、国会前で「○○県教組」といったのぼり旗を立てた先生たちが、極左暴力集団とともに「国民投票法が成立したら革命を起こすぞ!」とシュプレヒコールを繰り返していた。
 そもそも、この法律は憲法が保証している国民の権利を、初めて法制化するものなのに…。自分たちの主張を実現するために暴力革命を目指しているのだとすれば、信じ難いことだ。
 問題は山積しているが、急がなくてはならない。未来を担う子供たちを救うためにも、さまざまな知恵を集めて、日本社会を立て直さなければならない。