シェーファー米国農務長官と会談しました①

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シェーファー米国農務長官と会談しました(ワシントン・米国)

 5月1日から9日までワシントン、ニューヨーク、オタワへ行きました。目的は、①サブ・プライム問題を始めとする、北米経済情勢(元気のない日本にとっても重大な影響がある)、②WTOのUSの認識、③旧友との情報交換、④マスコミ関係者と面談、⑤その他。
面談したのは、USではa)旧友のポートマン元USTR代表(マケイン候補の副大統領候補の一人と言われている一人)、b)IMF幹部、c) 旧友のマイケル・グリーン元ホワイト・ハウス日本部長、d)旧友のアーミテージ元国務副長官、e)ミッキー・カンター元USTR代表、f)クレイ・ラウリー財務次官補、g)シェーファー農務長官等々。
 加では、h)旧友のピーターソン元貿易大臣、i)マレー加中央銀行副総裁等々。その他、US・加の両大使やNY総領事、NYの日系金融機関関係者とも会談した。

 サブ・プライム、経済問題については、USでは楽観的。しかし、極めて希望的というか、悪いことになる筈はないという祈るような気持ちが強いと思った。IMFのUS担当専門家は、やや悲観的だが、それでも意外と楽観的。むしろ日本経済を心配していた。加は非常に冷静で、USの情況を憂慮している。加経済もリセッションに入っている。しかし、資源関連を中心に。収益増加、賃金増加(ウラヤマシイ)、住宅価格堅調。それでも金融引締めには慎重で、法人税減税もやる。(日本も当然それ以上のことをやるべき!)。私はSPL問題をきっかけとして、金融の困難は今後も続き、過剰流動性とコスト・プッシュの中で実態経済も弱くなり、世界的スタグフレーションがカップリングで日本にも更に影響すると確信した。日本は迅速に対応を取らなければならない。

 WTOについては、US関係者は「我々は成功に向け貢献する」と異口同音に言っていたが、にわかに信じがたい。WTO交渉では、USの国内補助金(輸出にも向かう)削減問題と、USを始めとする農産物価格高騰問題(含、バイオエタノール)、そして輸出規制がネックになっていることが明らかだからだ。

 シェーファー農務長官との会談では、日本向US産牛肉の基準撤廃問題が一番の難題と思っていたが、なぜが出ず、US農業法やバイオ等極めて友好的(従って真剣にケンカせずに)終わった。

 旧友との交流では、WTO交渉の大臣同士の戦いと友情(a、h)を確認し、楽しかった。又、他の旧友達は「日本が動いてない、見えない」と嘆いていた。
 大統領選挙について、日本にとって私はマケイン氏がベターと思っているが、その副大統領候補についてある人に質問したところ、①若い、②州知事、③ブッシュ政権にいなかった人物が条件と言っていたのが面白い。

 ⑤「その他」は、今や日本の料理より、NYの日本料理の方がおいしいとさえ言われている中で、日本料理店へ行った。外国で一番おいしい日本料理は「大使館」だが、NYのそば屋さん、そして開業45年という日本料理屋さん(この人は2年前、私が農林水産大臣の時海外で活躍している日本人として、表彰した方だった)等々。

 日本料理がNYで充分以上おいしいことを実感した。もう1つのその他。それは私の大好きな画家、エドワード・ホッパーの本物を見ることだった。いくつかの美術館に分散しているので、結局Whithey美術館で数点見た。予想通り、本物は赤と黄色の印象の中で、具象と抽象の不思議な空間が広がっていた。次回は、ホッパーだけで訪米したい。
今回の訪問は過去と将来、世界とUS,世界と日本の激動を少々見た。日本は苦しいのに何もせずじっと動かない。末尾にお世話になった日米加関係者に心から感謝して政策実行したと決意した。