夕刊フジ連載コラム「中川昭一の言わせてもらおう」(5月23日掲載)


「中国、ミヤンマーの災害にお見舞い申し上げたい」
「日本のインフラ更新、耐震性や環境を配慮すべき」
「台湾の馬英九総統の就任にお祝い」
「Win-Winの関係強化を」
 中国で発生した四川大地震の死者は5万人を超えたという。また、大型サイクロンに見舞われたミャンマーの被害は、死者が最大で約10万人、行方不明者は22万人に上る可能性があるとの推計も出ている。
 想像を絶する甚大な被害であり、被災地からは目を覆いたくなる惨状が伝えられている。犠牲者のご冥福をお祈りするとともに、被災者や遺族の方々には心からお見舞いを申し上げたい。アジアの同胞として一刻も早い救援・復旧活動に協力したい。
 ミャンマー軍事政権は海外救援要員への入国査証発行を渋っているようだが、自国民の生命や安全よりも軍政維持を優先させているとすれば許し難い。サイクロンという自然災害よりも、救援拒否によって引き起こされている人的災害の方が問題だといえる。
 日本はこれまで多くの地震や災害の経験をインフラ整備に生かしてきた。現在、第二次世界大戦後に整備したインフラの更新時期を迎えつつあるが、改めて耐震性や環境、省エネなどに配慮した整備を進める必要を感じた。中国やミャンマーにもこうしたノウハウを取り入れてほしい。
 さて、台湾の馬英九総統の就任式が20日に行われた。まずは、心よりお祝いを申し上げたい。私は約20年前、当時の蔣経国総統の秘書役をしていた馬氏と会ったことがある。「冷静沈着な人物」という印象を持ったことを覚えている。
 その後、馬氏は法務部長や台北市長としてすご腕を振るい、3月の総統選では圧倒的支持を得て当選した。
 台湾は日本と地理的に近く、「自由」と「民主主義」という価値観を共有している。人々の関係も良好だ。私は日米関係と並んで、日台関係は重要だと考えている。
 現在、台湾は経済状況が芳しくなく、大陸(中国)との関係も難しい。馬氏は必ずしも「親日的」でないといわれたが、総統選では「日台関係は大切だ」との認識を示していた。お互いウイン・ウイン(Win-Win)の関係が続くよう、これからも友好関係を強化していきたい。