ロシアからのジャーナリストと会見しました。
●質問と回答は以下のとおり。
(質問):壁に掛かっている文字「善以氣和」という言葉ですが、最後の「和」という文字は「調和」という意味のほかに「日本」を意味すると聞きましたが、この場合はどういう意味でしょうか?
(回答):この場合は「調和する」とか「和らげる」という意味です。ほかに、先ほどご指摘があったように、「日本」という意味もあります。日本のことを「大きな和」と書いて「大和(やまと)」と呼んだりもしました。例えば「和牛」は「日本産の牛肉」という意味です。
(質問):今現在日本のエネルギー消費を見ると、石油、ガス、原子力がありますが、それぞれのシェアはどうなっていますか?また、石油の消費を減らして、代替エネルギーの利用と増やすとお考えですか?
(回答):大雑把に言えば、日本のエネルギー消費の約半分が石油です。それから天然ガスが16%くらい。発電の3分の1が原子力ですが、エネルギー全体としては10%くらい。そのほかに水力、石炭があり、再生エネルギーは2~3%くらいです。
ただ、そのうち石油、天然ガスはほとんどが輸入です。石炭は輸入していましたが、価格高騰で現在は一部国産です。水力は100%自前です。
(質問):今後のエネルギー部門の発展について、石油の消費を減らして代替エネルギーを使うなどの政策はお考えなのでしょうか?
(回答):石油、天然ガス油ほとんど輸入に頼っています。石油の70%は中東から輸入しているため、1つの地域だけに頼ることはとても危険ですから、ロシアとの関係も強化していきたいと考えています。
原子力については、安価で安全なエネルギーですから、今後さらに充実していかなければなりません。日本の発電の3分の1は原子力なので、今後はすでにある原子力発電所の更新が問題になっていくでしょう。
また、気候変動の問題もあります。日本の省エネ、環境技術は世界トップクラスにあるので、さらにこれを進めていきたいと考えています。例えば、食糧と競合しないバイオエネルギーの使用、CO2を出さない石炭の活用、発生したCO2を地中に埋める方法等、CO2を発生させないエネルギーの活用方法を考えていきたい。
(質問):サブ・プライムローン問題について、もともと米国で発生し、各国へ影響が出ています。日本へはどのような影響でていますか?また日本経済は悪化していますか?
(回答):まず、金融は一体化しているので世界のほとんどの国が影響を受けているのではないでしょうか?日本は20年前に似たような経験をしましたが、今回のサブ・プライムローン問題に関しては、それほど大きな影響を受けた金融機関はありません。
しかし、米国では信用収縮が起こり始めていますし、個人消費も落ち込んでいます。これが日本経済へ影響を与えかねないと心配しています。また、エネルギー、食糧価格が高騰しています。ロシアは大麦、小麦を輸出しているわけですが、買う側としては、ますます経済運営が難しくなっていくのではないか。と考えています。
(質問):かつて経済産業大臣をされていた経験から、日本のどのような産業をサポートしていくべきだとお考えですか?
(回答):まず、少子・高齢化をサポートする産業の育成が必要になっていくと思います。例えば予防医学、医療、福祉関係の分野だと思います。それから、日本の経済は今弱いので、外国への参入に関しては、ロシアとは鉄道、原子力エネルギー等の分野でwin-winの関係を築いていけると考えています。また将来的には、省エネ、環境、水、技術等も世界的に必要になっていくと思います。その中で日本のボイラーは環境にやさしく、エネルギー効率がいいので、世界で活用していけるのではないでしょうか?