夕刊フジ連載コラム「中川昭一の言わせてもらおう」(10月31日掲載)


「断固として景気対策をやり抜く」
「不安定な市場…株の空売り規制前倒し実施を表明」
「対馬の自衛隊基地周辺を韓国資本が買収」
「財務省会見場に日の丸掲揚」
「常に平和と安全を守る努力が必要」
 今週、東京株式市場は不安定な値動きが続いた。特に28日は、午前中に日経平均株価が一時7000円台を割り込んだ。約26年ぶりという。その後、反発して7600円台まで戻して取引を終了した。
 私は「ここ数日が日本の株式市場にとって大事だ」という判断から、麻生太郎首相の指示を受け、同日午前の記者会見で、緊急市場安定化策に盛り込んだ株の「空売り規制」を前倒して実施する方針を表明した。
 そもそも、事前に株式を借りずに空売りする「ネイキッド・ショート・セリング」は、空売りした側が「あの会社は危ない」といった噂を流し、株価を急落させてもうけることがある。悪質な株価操縦ともいえ、私の思考では理解できない。
 5営業日ぶりの反発は、麻生内閣の「日本の経済・市場システムを守るために、やるべきことは何でもやる」という強いメッセージが市場関係者に伝わったものと考えている。
 《日経平均株価は30日、7日ぶりに9000円台を回復して取引を終えた》
 急激な円高も注視している。無秩序な動きは経済や金融の安定に悪影響を与える。先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)も27日、過度な円高を警戒する緊急声明を発表した。
 円高は日本の輸出産業にはダメージとなる一方、原油や原材料の購入原価が減るというメリットもある。ともかく、日本の経済力を強化することが重要だ。内需を伸ばすには、国内の購買力を高めなければならない。どんな批判があっても、断固として景気対策をやり抜きたい。
 さて、28日午後、久しぶりに真・保守政策研究会の勉強会を開いた。産経新聞の宮本雅史編集委員を招き、長崎県対馬市の自衛隊基地付近などで韓国資本が不動産を買い占めている現状を聞いた。
 日本の安全保障上、国境の島・対馬がこれだけ脆弱な状況に置かれているとは驚いた。常に平和と安全を守る努力をしなければ、気付いた時には危険が迫っていることになりかねない。
 私は先日、財務省の記者会見場に日の丸を掲揚させた。世界中で国旗がない会見場はないが、日本の21省庁の中で約半数しか国旗を掲げていない。会見場は日本のメッセージを世界に発信する場であり、国旗掲揚は当然の措置だと考えている。
 国家の基本は国民と領土。政治家として、日本人として、国民が平和に暮らしていくために、これからも当然の行動をしていきたい