最近読んだ本(1月)『色即是空コラム392』吉村作治 アケト、『太陽の哲学を求めて』吉村作治 PHP研究所


 閣僚になってから読んだ本をHPに書くことができなかったが、年末年始に私の畏友エジプト考古学の吉村作治教授から続けざまに頂いた2冊をまとめて読んだ。
 全く違う吉村先生の性能のすごさが面白く、同一人物かと疑う。前者は憲法問題(吉村先生は日本国憲法を常時持ち歩いている!)。政治問題からタバコ、クジラ、携帯電話等のマナー、迷惑行為といった社会問題、学者や政治家、マスコミ批判まで私自身、耳の痛いこともあるが、率直な考えをまとめたエッセイ集。
 後者は一転して、日本の代表的知識人・哲学者の梅原猛氏とエジププト5000年の歴史の旅に行った後の対談。専門家同士なので私には少々難解な部分もあるが、要は「メソポタミア・ギリシャ・ユダヤ文明は所詮エジプト文明の亜流に過ぎない。(ましてヨーロッパやイスラムは、その、又亜流。農耕社会のエジプトは多神教であり、太陽と水の神が最上位にある。)上述の諸文明はやがて一神教へ変化、下向化して、我、日本文明もアマテラスや大日如来といった太陽と水を中心とした多神教である。エジプト文明と日本文明には共通点がある」と言うことか。
 壮大かつ深遠な文明論を痛快に読んだ。