北朝鮮の脅威は既にはじまっている(3月31日)


 日本は「ミサイル攻撃危機の週」に入った。北朝鮮が4月4日から8日の間に、東方に向けて弾道弾を発射するという。報道は連日「発射された場合、万が一、日本の領域に落下してきた時、日本はちゃんと撃墜して国民の安全が確保されるか」を中心に報道している。
今回の出来事に対し、国民の安全が確保されることは当然だが、当面の問題であってこれがすべてではない。
 次の2点を我々は忘れてはならない。
 第1に北朝鮮は国連決議1695号及び1718号によって弾道弾だろうが人工衛星だろうが実験を禁止されている。北は実験を何の為にやるのかといえば、必要な時に相手に打撃を与える為に、大陸間弾道ミサイルを保有したいのだ。「相手」に「日本」が入っていない保証はない。(いや、入っている可能性が極めて高い)
 従って、北がミサイル実験をやると発表した瞬間に、日本の主権と安全が危険になったと認識すべきだ。「日本に危険はない」とか、「発射しないのではないか」という可能性に賭けて、希望的予想に賭けて、一件落着、安心というわけにはいかない。
 我々は、ソ連や中国のミサイルや核実験後、日本の安全保障の脅威が格段に増加していったことを忘れるべきではない。今回の北のミサイル実験も、過去のミサイル実験や核実験の発展型の中にあることを忘れてはならない。既に我国の安定が脅かされているのだ
 第2に、今回の北の予告に対する日本の対応を近隣諸国は注意深く見守っているはずだ。仮に、我が国(政府及び国民、マスコミ)が、この問題に対して一過性で、この期間が過ぎて忘れてしまい、「振り出し」に戻ってしまえば、他諸国の日本に対する軍事上の対応も変わってくる。日本は「組みし易い相手」と判断することは当然予想される。又、土壇場で、第3国の仲介で中止となって「安心した」「その国に感謝する」で終わるという性質のものではない。
 すでに、日本の安全が侵されている。自衛隊の対応に任せるだけでなく、我々もこの「外からの脅威」を怒りをもって真剣に考えるべきだ。