夕刊フジ連載コラム「中川昭一の言わせてもらおう」(12月22日掲載)


「私の平成18年、3大ニュース」
「悠仁さまがご誕生」
「安倍内閣の誕生」
「自民党政調会長への就任」
「重責を担う責任と幸せをかみしめて」
 今回は私が選ぶ「平成18年の3大ニュース」について書きたい。
 第1はやはり、9月6日に秋篠宮家の長男、悠仁さまがご誕生されたことだろう。皇室に男子がご誕生されたのは41年ぶりで、皇太子さま、秋篠宮さまに次ぐ皇位継承順位3位の親王さまである。私自身を含め、皇室を敬愛している多くの国民が心から喜んだ。
 先月、一般のお宮参りにあたる儀式「賢所皇霊殿神殿に謁するの儀」が皇居内で行われ、紀子さまに抱かれておられる姿がテレビで報道されていたが、ほほえましい気持ちになった。
 紀子さまのご懐妊が分かったのは今年2月。皇室典範見直し論議が公になりそうな時期だっただけに、われわれ保守の人間からすれば、政争の具にならなくて良かったと思う。
 第2は、安倍内閣の誕生だ。
 日本全体が何となく夕暮れ時のようなムードになりかけていたとき、小泉純一郎前首相は少しドラスティックな改革手法で国民を奮起させ、時計の針を強引にお昼前まで戻した。
 ロケットでいえば発射台の静止状態から高度何千メートルまで打ち上げる1段目が小泉内閣。2段目となる安倍政権は成層圏を突破し、日本を成長を伴った成熟国家の軌道に乗せて、世界の中でふさわしい存在する責任がある。
 発足から約90日の安倍内閣だが、野党の理不尽な抵抗をはね除け、最重要課題だった教育基本法や防衛庁の省昇格関連法、社会保険庁改革、道路特定財源の一般財源化など、戦後体制から脱却する歴史的大改革を成し遂げたといえる。
 最後は、私自身のことだが自民党政調会長への就任だ。
 3年前から経産相と農水相を続けて務め、「少し充電しよう」と思っていた矢先に大役を拝命した。安倍総理総裁とは基本的な考え方は似ており、安倍内閣が掲げる目標は私の政策目標でもある。日々新鮮な気持ちで職務に邁進(まいしん)している。
 完全な休日を取れたのは2日程度しかないが、時間を見つけてはテニスをしたり、庭いじりや読書をして気分転換を図っている。
 読書では今年24冊しかできなかったが、エマニュエル・トッド氏の「帝国以降」や、中西輝政氏の「帝国としての中国」、山内昌之氏と中村彰彦著氏の「黒船以降」、ユン・チアン氏の「マオ-誰も知らなかった毛沢東」は実に面白かった。
 ともかく、この1年は私にとって仕事三昧の日々だった。後世の歴史家が「あの年は歴史的転換期だった」と分析するであろうこの年に、政治家として重責を担う責任と幸せをかみしめている。