夕刊フジ連載コラム「中川昭一の言わせてもらおう」(12月7日掲載)


「自信と誇り持つ日本に」
「保守勉強会の会長就任」
「守屋容疑者の行為は、国民や自衛官への裏切り」
「防衛汚職を解明せよ」
 前回紹介した保守系議員による派閥横断的な勉強会が発足し、今週火曜日に設立総会を開いた。平沼赳夫元経産相(無所属)や島村宜伸元農水相(無派閥)という大先輩をはじめ、59人(代理含む)の同志議員が集まってくれた。私は会長を務めさせていただくことになった。
 こうした行動を決意したのは、「国民が抱えている不満や不安、不信を何とか解消し、自信と誇りを持つ日本にしたい」という思いからだ。
 現在の日本は景気も悪く、治安も決して良くない。大企業や大都市に比べ、中小企業や地方の農村漁村は本当に疲弊している。これを打開して、国民みんなが活力を持ち、明日を見つめて前向きに生きていける社会に転換しなければ、日本は沈没しかねない。
 講師に招いたジャーナリストの桜井よしこ氏も「このままでは日本が心配だ。政府も国民も国家意識を持たなければ政治も外交も経済も腐敗し、衰退する。周辺諸国が台頭する中、わが国は取り残されかねない」「(国家間の)真の友好は、相手の国の立場と文化を尊重することが基本であり、相手を無視して一方的な要求を通すのは友好ではない」などと語ってくれた。
 今後も、自民党に期待しながら現状に欲求不満を抱えている保守系知識人と切磋琢磨し、真に国民のためになる政策を積極的に研究し、政策実現に向けて行動する集団にしていきたい。
 さて、防衛省前事務次官の守屋武昌容疑者と妻が東京地検特捜部に収賄容疑で逮捕された。当初、夫婦そろっての逮捕に驚いたが、その後の報道を見る限り、怒りを通り越して、あきれ果てている。これほどひどい官僚汚職は聞いたことがない。
 防衛庁を内閣府の外局から省に昇格させたのは、安全保障上のさまざまな問題に機敏に対応し、国民の期待や要望に応えるとともに、生命を賭けて国防という重要任務を担っている自衛隊員たちに誇りを持たせるべき、という考えから。
 その旗振り役だった守屋容疑者がここまで腐敗していたのだ。国民に対してはもとより、真面目に任務に邁進している、かつての部下である自衛官への著しい裏切り行為だ。
 政府自民党は、国民の信頼や自衛官の誇りを取り戻すために、一連の防衛汚職を徹底的に解明すべきだ。同時に、劇的に変化しつつある国内外の課題に、わが国独自の価値観と正義を示して、真正面から取り組まなければならない。