私が政治家として手がけるべきテーマのひとつと考えているものに「水」の問題があります。水道をひねれば出てくる、あの「水」です。
何をいまさら・・・と言われるかもしれませんが、日本が水の輸入大国であるということをご存知でしょうか? 日本は食糧を輸入に頼っています。その食糧、例えば小麦の場合、1kgの小麦を収穫するのに2tの水が必要とされています。1頭の牛肉には22tもの水が使われています。そう計算していきますと、日本は年間で実に640億tもの水を輸入していることになるのです。
全地球に存在する水のうち97%が海水で、真水は3%しかありません。その真水の70%は南極大陸の氷で、現実的には利用不可能です。ヒトが生きるのに不可欠な水は、実はこれほどに少ない貴重な資源なのです。日本の日常では不自由を感じることは少ないでしょうが、世界では10億人が慢性的な水不足にさらされ、汚れた水で200万人が死亡する、という現実があるのです。
半面、水がビジネスと切り離せないものであることも否定できません。おりしもフランスでは、市販のミネラルウォーターと水道水のどちらが環境に優しいか、パリ水道局がメーカーを告訴する騒ぎにまでなっているようですが、日本にしても、これだけの食糧(水)の輸入を続けられるかどうか、経済力を背景にした微妙なバランスで成り立っているのも現実です。
だからこそ、政治家も水問題にきちんと取り組む必要があると思うのです。ヒトが生きる前提である資源を、利害を語る前にまず世界的に確保する――、それには政治でなければ果たせない役割が、少なからずあるように私は確信しています。国際水フォーラムが繰り返し開催されているのをはじめ、水を守る活動がさまざまな方面で活発に行われています。これらを積極的に支持すべきだと考えます。
【今月の読書】
読書の時間をつくろうと思っています。目標は毎月4冊。1月はとくに『マキアヴェッリ語録』(塩野七生・新潮文庫)が印象に残りました。マキアヴェッリは権威主義の代名詞ように言われますが、意外な面が多々あって興味深く読みました。しばらくは塩野七生さんの著作をたどってみようかと思っています。
今後、なにかしらの感銘を受けたものなど、本に関することも、このサイトでお話していこうと考えています。