改めて実感する、この「困難な時代」に

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小泉政権のときから閣僚や党役員を歴任してきて、6年ぶりぐらいになりますでしょうか、自由に動ける立場に戻りました。SPが常に傍につく日々からしばらくぶりに離れ、これが本来の姿なんだなと、あらためて感じたりもしています。月に3、4回は選挙区に戻るほか、積極的に地方を回るようにしています。政治家にとって、自分の目で見る、ということは非常に大事なことだと思うのです。
閣僚にせよ党役員にせよ、スケジュールに追われる毎日とは違った「目」で現状をみると、難しい時代になったな、と本当に感じます。いつの時代でもさまざまな課題が山積しているものですが、いま私たちが直面している問題には、効果的な策を容易に立てることができるとは限らない、いわば「漠たる不安」に対するものが少なからずあるように思うのです。
たとえば自然の激変。地球温暖化が言われて久しいですが、日本も世界も明らかに災害が大きなものになってきています。地震、台風、集中豪雨・・・今年もさまざまな災害に見舞われましたが、復旧の臨界点を超える災害がいつ起こっても決して不思議ではない状況です。
経済的なものに目を転じれば、米国の金利政策による危機も危険な要素をはらんでいます。利上げに転じて、米国民は住宅ローンやカードの決済に汲汲としています。専門家によると、可処分所得の70%がこれらの返済に充てられている、という指摘がありますし、ローン残高はGDPの140%にも達するという試算もあるほどです。
これらは明日の私たちに、すぐに直接の影響を及ぼすものではないかもしれません。しかしいずれは、必ずなんらかの影響、それも悪い形で私たちの生活にかかわってくる問題だと思うのです。ものごとは何でもそうですが、ミクロとマクロの視点で見ることが大事だと考えます。ひとりの政治家としてどう動いていくべきか、ここ数年なかなか見られなかった、よりマクロからの視点も踏まえて、じっくり考えてみたいと思っているところです。